離婚して元旦那から養育費を受け取っている母子家庭の割合は24.3パーセント(平成28年度全国ひとり親世帯調査)と低い現状。
しかし未成年の子供を抱えるシングルマザーにとって養育費がもらえるのと、もらえないのでは経済的負担に大きな差が生まれます。
そこでシングルマザーが気になるのは養育費の相場について。
養育費と言っても貰っている金額は家庭により様々で、「いくらぐらいが相場なの?」「どのくらい支払ってもらうべき?」と悩んでいるシングルマザーは多くいます。
養育費は金額が決まっておらず、その家庭の状況によって変わるため離婚時に「話し合いが上手くまとまらない!」なんてことも。
その際に指標となるのが養育算定表で、2019年12月に裁判所のホームページに公開された改訂版の養育費算定表によると社会情勢や税制が変わることで改定前よりも増額傾向にあるため、場合によって養育費の増額が期待できる可能性があります。
今回は「養育費の相場」や「養育費を最後まで支払ってもらうための交渉術」についてお話していきますので、現在シングルマザーとしてお子さんを養っている方や、これから離婚してシングルマザーになる道を考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。
参考文献:平成28年度全国ひとり親世帯調査
養育費・婚姻費用算定表
離婚後の子供への養育費の相場
子供が1人の場合
離婚後の子供への養育費の相場は子供の人数・年齢・夫婦の収入で変わり、子供が1人の場合の例は以下のようになります。
0~14歳の子供が1人
15~19歳の子供が1人
子供が2人の場合
子供の人数によって養育費の金額は変わりますが、子供が2人いるから養育費が2倍になるわけではなく、養育費算定表による基準にもとづいて判断されるのです。
子供が2人いる場合の養育費相場の例が以下のようになります。
0~14が2人
15~19歳と0~14歳
子供が3人の場合
子供の人数が増えれば子供の年齢層も変わるため養育費の相場は変動し、子供3人を養育する側の親(シングルマザー)の年収が200万円以下と想定した場合の例として、養育費相場は以下のようになります。
0~14歳が1人と14~19歳が2人
0~14歳が2人と14~19歳が1人
離婚前に養育費を最後まで支払ってもらうための交渉術
父親だという自覚と責任を感じさせるプラスな発言
離婚前に養育費を最後まで支払ってもらうための交渉術として、父親だという自覚と責任を感じさせるためのプラスな発言を心がけることが大切です。
離婚の際に話し合う場では感情的になったり、ついマイナス的な発言で相手の気持ちを無視してしまうことがあります。
確かに離婚に至るという事は何かしらの溝が生まれているはずですが、ここは子供のために自分の気持ちをぐっと堪える努力をしましょう。
イライラして攻撃的な発言をしていては養育費を支払ってくれる可能性はおろか、金額面での交渉も上手くいきません。
「いろいろなことがあったけど、あなたには感謝している」「子供たちがここまで育ったのはあなたの力があったから」「離れて暮らしても子供たちは父親であるあなたのことを想っている」など、相手の気持ちを持ち上げることがポイントです。
自分を認めてくれる、労ってくれるプラスな言葉は誰でも嬉しいもの。
いつまでも子供たちとの関係が続くことを印象づけることで子供が成人するまで養育費を支払う意思と気力に変え、スムーズな話し合いを持つことができるのです。
子供の将来を見据えた計画の共有
子供の将来を見据えた計画の共有は、養育費を最後まで支払ってもらうためにとても重要な交渉ワードです。
離婚時は今までに溜まった感情をぶつけたり慰謝料や親権など様々な話をすることになりますが、一番重要なのは子供が今まで通りの生活水準を保てる環境を整えること。
離婚直後の生活はもちろん、子供が成長すれば衣食住を含めて進学に必要なお金も沢山かかってきます。
例えば中学受験を考えて塾に通う習い事の費用、そのあとは高校受験に大学受験など年齢が上がるごとに必要となるお金は増えていきます。
シングルマザーが一人でこれを負うのは経済的負担が重く、血を分けた我が子だからこそ父親にもその責任を負ってもらいたいと思うもの。
離婚時は何かと感情論で話が逸れてしまうこともあるかもしれません。
ですが子供の将来を一番に考え、成長に応じたライフプランを旦那(父親)と話し合っておくことが大切です。
子供の将来設計を離婚前に夫婦で話し合っておくことで子供の成長にはどれくらいの養育費が必要となるのか予め想定することができ、必要なお金の準備をしなければならない使命感を持たせることに繋がります。
家族関係が変わったとしても、共通のビジョンを共有しておくことで養育費の支払いも子供と父親の関係性も上手く変わることなく続くのです。
お互いが納得できるよう公正証書として残す
お互いが納得できるよう公正証書として残すことも、養育費を最後まで支払ってもらうために必要な交渉の一つです。
養育費を最後まで支払ってもらうにあたり、「口約束だけではちょっと心配…」と思う人は多いもの。
離婚時に納得した上で取り決めた養育費も、時間が経てば双方の関わり方や環境の変化からうやむやになってしまうことが多いのです。
養育費の取り決めをした際は、公正証書に残しておくことで後々のトラブルや支払いが滞った際にも安心して対処することができます。
ですがこちらから一方的に公正証書を作成することはできませんから、双方が納得できるよう話し合った上で公正証書を作成することに同意してもらう必要があり、相手の要望や状況を考慮することで離婚前に養育費の取り決めをスムーズに行うことができるのです。
子供のための納得できる話し合いが鍵
養育費の相場は子供の人数や年齢、父親と母親の収入や生活状況によって変動するため、必ずしも算定表の通りになるわけではありません。
算定表はあくまでの基準ですから、離婚前の話し合いでの交渉が鍵となります。
親として子供が成人するまで守り育てる責任がある以上、離れて生活していても父親には最後まで養育費を支払う義務がありますが、養育費を支払う責任は父親にだけある訳ではなく母親も守り育てていく上で養育にかかる費用を負担しなければなりません。
離婚に関しては様々な事情があると思いますが、子供の両親であることはこの先もずっと変わりません。
交渉でのポイントはどちらかの一方的な言い分を押し通すのではなく、お互いの意見を考慮した話し合いを行うことです。
今回ご紹介した内容を参考にお互いの事情や子供の将来を見据え、納得のできるカタチを見つけてみて下さい。
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