厚生労働省の平成28年度ひとり親世帯等調査によると母子家庭世帯の平均年収は243万円と経済的に苦しい状況に立たされているのが社会問題になっています。
しかし、「仕事が見つからない」「なんで何処も上手くいかないの?」など、仕事をしたくても働けないシングルマザーも数多くいるのが現実。
シングルマザーは家事や育児だけでなく一家を支える大黒柱であるため無理なく安定して働ける仕事を探し求めますが、独身時代とは違い様々な障害によって思うように働き口が見つからないのです。
今回はシングルマザーに仕事がない理由とシンママでも働きやすい職場の特徴についてご紹介いたします。
シンママのお仕事事情を紐解いていきますので是非参考にしてみて下さい。
シングルマザーに仕事がない理由
採用条件や希望のミスマッチ
シングルマザーに仕事がない理由として、採用条件や希望のミスマッチが挙げられます。
日々忙しく動き続けなければならないシングルマザーは家事や育児と仕事以外にも労力を要するため、基本的に働きに出られる時間が限られてしまうもの。
その中で仕事を探してみるものの土日休みや残業無しで高時給の働き口はシングルマザーの労働可能時間ではなかなか見つからず、採用条件のハードルはシンママの就活で最も大きな悩みと言えます。
高待遇の仕事はあっても残業付きやフルタイム勤務であったり、シングルマザーというだけで面接で落とされてしまうケースもあるため、条件と希望がミスマッチしてしまうことが少なくないのです。
シングルマザーの求める条件を満たす仕事が少ないのが今の社会の現状としてあります。
女性の社会進出やシングルマザーの採用に意欲的な会社が増えてはいますが、需要に見合った仕事の数には及んでいません。
会社側とシングルマザーとの間で求めているものに差があることが、仕事がない理由の一つなのです。
効率の悪い仕事の探し方をしている
効率の悪い仕事の探し方をしている点が、シングルマザーに仕事がない理由と言えます。
離婚して仕事復帰する人や安定した収入を得るために転職を希望する人など、一から仕事探しを始めるとなれば職探しの勘が鈍って正しい探し方ができていないことも少なくありません。
沢山の条件や職種を絞り過ぎて欲張っていたり一つの求人サイトや情報誌のみに頼って仕事を探したりと、時間がかかるだけでなく見つける可能性を下げてしまう効率の悪い探し方をしていることがあるのです。
たしかに複数の求人情報を比べるにもある程度職種を絞ったり条件を照らし合わせてみるのは大切ですし年齢によっては経験の有無で採用を左右する場合もありますが、狭い範囲で仕事を探していてはいつまでたっても決まらず苦しい生活を長期間強いられるだけ。
シングルマザーの仕事探しは家事や育児とやらなくてはならないことが多いぶん効率の良さが重要です。
自分一人で探せる範囲は限られますし時間も労力もかかるのですから、ハローワークや転職エージェントなど仕事探しの手助けをしてくれる機関を活用することがポイントとなります。
ブランクやスキルの有無
シングルマザーに仕事がない理由には、ブランクやスキルの有無も関係があります。
離婚する以前に専業主婦やパートタイムでしか働いたことのない人や30代40代と長期間ブランクのある人は、採用条件や面接でのハードルが高く仕事探しが長引いてしまうケースがあるのです。
会社側からすれば正社員として働いたことのある人を重視して採用したいと思うのは当然で、今までに働いたことのある仕事と全く関連がない職種を選んでしまっては採用される可能性はかなり低いと言えます。
また、シングルマザーの就活の結果を大きく左右するのが希望する仕事に役立つスキルや資格の有無です。
今はシングルマザーだけでなくとも自分の誇りとなるスキルやキャリア形成がなくては就職も難しい時代と言われ、何の気なしにパートで働いていたり自身を磨く努力をしてこなかった人では仕事を見つけるのは難しくなります。
逆を言えば例えブランクがあったとしても専門知識や資格など会社側が求める能力を持った人であればシングルマザーであっても採用される可能性が高くなるということ。
これまでに積み重ねてきた経験や努力なくしては、シングルマザーの仕事探しは長引いてしまいやすいのです。
シンママでも働きやすい職場の特徴
スケジュール調整がしやすい
シンママでも働きやすい職場の特徴には、スケジュール調整がしやすいというものがあります。
子供を持つシンママにとって子育てと仕事の両立は大前提ですから、仕事は単に生活のためだけに働ければ良いというものではありません。
まだ幼い時期は突然の発熱や学校行事等で仕事を抜けたり休まなければならない場面も多くあり、一人で子供を育てているからこそ自分と子供のスケジュールを合わせる必要が出てくるのです。
親と同居していたり預け先の確保ができるならばある程度働き方に融通が利くかもしれませんが、みんながみんな都合よくサポートを得られる環境というわけではありません。
シンママが子供を守り育てながら働くためには、休みや勤務時間の調整がしやすい環境が望ましいのです。
託児所や子供を見守れる環境が整っている
託児所や子供を見守れる環境が整っている職場は、シンママでも働きやすいと言えます。
シンママにとって働く際に不安となるのは子供の預け先が見つからないという状況。
子供を育てるためには仕事をしなくてはなりませんが、預け先がなく働きに出られないと悩むシングルマザーは少なからずいます。
託児所を設けている職場であれば預け先の心配はいりませんし、リモートワークや在宅勤務ができる仕事であれば子供の急な体調不良であっても早退や休むことなく子供を見守ることが可能です。
近年ではシングルマザーや共働き世帯の増加もあって少しずつですが託児施設を完備した会社が増えており、働き方改革によって出社を最低限に抑える取り組みを始めた企業を耳にする機会が多くなりました。
シンママの働きやすさには子供の心配をしなくて済む安心した環境が求められるのです。
シングルマザーの採用に意欲的
シンママでも働きやすい職場の特徴の一つとして、シングルマザーの採用に意欲的である点が挙げられます。
シングルマザーは仕事をしながら子供を育てていく上で他の社員よりも勤務時間に制限があったり早退や休みが多くなる可能性があり、周囲の理解がなければ働きにくさを感じるものです。
シングルマザーの採用に意欲的な会社であれば初めから仕事を抜けたり欠勤の可能性も前提として受け入れてもらっている分、負い目を感じたり居心地の悪さを感じることはありません。
また、シングルマザーの採用に意欲的ということは同じ境遇のシンママも働いていることが予想され、子育て相談や職場の人間関係への不安も和らぐメリットがあります。
シンママに対する理解が高く制度の整った会社の数はまだ多いとは言えませんが、採用に意欲的であるということは少なからず女性やシングルマザーの活躍の場があるということは間違いありません。

先を見据えて最適な職探しをしましょう
シングルマザーの仕事探しは希望する条件が多ければそれだけ見つけるまでに困難なこともあるかもしれませんが、何を優先して何を諦めるかという選別やどのように問題をクリアにしていくのかしっかりと考えることが大切です。
そして、目先のことだけでなく先を見据えて最適な職探しをしていく必要があります。
無理をしたり欲張っては思うような仕事が見つからなかったり続けられずに仕事探しを繰り返すことになりかねません。
今回の内容を参考に、改めて仕事探しの方法や考え方を見直してみて下さい。
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