近年、離婚や母子家庭に対しての偏見が薄れてきたことなどの様々な理由から、シングルマザーになることを決断する女性が増えています。
シングルマザー(母子家庭)は国や地方自治体の支援を受けることで生活水準の安定が期待できるという面はありますが、それでも正規雇用に就きにくいことなどから二人親世帯と比べて経済的な不安は付きまといます。
子供を守り育てるために必死に生活をするシングルマザーは、気丈に仕事や子育てをしていても「私に何かあったらどうしよう」と不安になる時はあるもの。
自分に万が一のことがあった場合「子供がどうなるか…」「子供のために何をしてあげられるだろう」と、“もしも”を想像して子供の将来に対する不安や心配を抱える瞬間があるのです。
今回はそんなシングルマザーが「自分に何かあったら…」と不安になったときに読んで欲しいお金の残し方についてお話させていただきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
あなたの抱えている不安が少しでも軽くなるよう、お役に立てれば幸いです。
シングルマザーが「私に何かあったらどうしよう」と不安になる時
身近に頼れる人がいない時
身近に頼れる人がいない時、シングルマザーは「私になにかあったらどうしよう」と不安になることがあります。
シングルマザーとして仕事や子育てを必死で行っていても、ふとした瞬間に孤独を感じることがあるのです。
「環境を変えて子供と新しい生活をしよう」「私一人で子供を育てていこう」そう決意したことに後悔はなくとも、一人の人間ですから弱気になってしまうことはあります。
そんな時に親族や友人など身近に頼れる人がいなければ、相談することも助けてもらうこともできず「自分になにかあったら…」と不安はより一層大きくなるのです。
体調不良もしくは持病がある時
日々の疲れからくる体調不良または持病がある時は気持ちも沈みがちとなり、不安を感じやすくなります。
不安を感じやすくなる時だからこそ、ひとり親で子供を育てていく上で切っても切り離せない経済面を考えたり悩んだりしてしまうのです。
病院に通っていれば医療費が気になりますし、病状が悪化すれば入院が必要となる恐れもでてきます。
母子家庭の大黒柱である自分が働けなくなってしまえば生活にも困り、「子供の面倒がみられなくなってしまうのではないか…」「どうやって生活していけばいいのだろう…」と、先々のことを考えると不安になるのです。
お金について心配になった時
シングルマザーが「私に何かあったらどうしよう」と不安になる時は、お金について心配になった時です。
厚生労働省の「平成29年度母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援対策の実施状況」によれば母子世帯数は約123万2,000世帯となっており、相対貧困率54.6パーセントで約半数の母子家庭が貧困に苦しんでいるという見方ができます。
お金の心配は今の生活だけでなく、子供の将来を考えれば尽きることがありません。
子供が成長すれば衣食住はもちろんのこと進学等で学費に必要となるお金は増え、経済的負担は重くのしかかります。
その中で自分が働けなくなった時、子供を残して逝ってしまった時を考えると不安が膨らんでいくのです。
参考文献:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189592_00001.html


「私がいなくなっても大丈夫」子供へのお金の残し方
生活を見直して貯金をする
子供へのお金の残し方として、生活を見直して貯金をするという方法があります。
生活費には様々なお金がかかりますが食費や携帯料金、自動車の維持費などは比較的見直しやすい項目です。
食費や光熱費は無駄がないかを一度確認してみると案外削減できる箇所が見つかることがありますし、インターネット上には様々な節約方法が載っていますから参考にしてみましょう。
車の維持費に関しても徒歩や自転車、公共交通機関を使って移動する方が交通費を安く済ませられる場合がありますので検討してみましょう。
このように生活の中で支出を減らす努力をすることで少しずつ貯蓄へとまわせるお金が増え、万が一の貯えとして子供に残すことができるのです。
支援制度の利用
支援制度を利用することは、子供へのお金の残し方の一つです。
国や地方自治体のシングルマザーに対する支援制度は数多くあり、手当や助成、給付金や割引制度と様々。
児童扶養手当や医療費助成は子供を育てていく上で助かる支援策ですし、遺族年金は子供が18歳未満であれば受給できるため万が一自分に何かあっても保険代わりになります。
利用できる制度は居住地の担当窓口に相談することで教えてもらえますので、自分や子供が対象となるものはすべて利用するつもりで調べましょう。

保険の見直しをする
子供へのお金の残し方やその手順として、保険の見直しをすることが挙げられます。
自分が病気やケガで働けなくなった際の保証や自分が亡くなった時に子供が成人するまでの生活保障、子供の将来を考えた学費の積み立てなど、シングルマザーだからこそしっかりと考えておくべきなのが保険のことです。
シングルマザーは仕事と子育てに追われてなかなか保険のことを落ち着いて考える時間がない方が多いと思いますが、頑張りすぎた結果により病気で入院や万が一の事態が起こる可能性も少なくありません。
しかし大きな保障の保険となるとシングルマザーにとっては経済的にも厳しいため、無理や無駄のない保険へ見直しや検討の必要があります。
万が一を考えて保険の見直しをしておくことで子供や自分自身の安心にも繋がりますから、一度保険会社の窓口に相談してみましょう。


お金を子供に残せる保険の種類
死亡保険
死亡保険は万が一の際にお金を子供に残すことができる保険だと言えます。
もし自分が亡くなってしまった場合に母子家庭は遺族年金が支給されますが、残された子供の生活費や教育費はできるだけ多い方が安心ですからお金は残しておきたいもの。
子供が生活に困らないよう備えておきたい死亡保険には、いくつか種類があります。
終身保険は保証が一生涯続くというメリットがある反面、月々の保険料が高額になるケースが多いためシングルマザーとしては家計にひびくというデメリットだと捉える人も。
他には定期タイプの保険として一定期間は死亡保障が大きく保険料が安い掛け捨て型の定期保険や、自身の万が一の際に毎月10万円前後の一定額が支払われる収入保障保険などがあります。
こちらの定期タイプの保険は月々の保険料が安い分保証期間が一生涯とはならない点にも注意が必要で、死亡保険の検討は無理なく支払い続けられる自分に合った保険料を見つけなければなりません。
外貨積み立てなどの特約
外貨積み立てなどの特約もお金を子供に残せる保険の一つ。
外貨建て保険は数多くの銀行や保険会社から出されており、終身保険や生前給付終身保障保険など様々。
円建て保険と比べて利回りが良く運用率が高い点や保険料が比較的安い点、資産運用しながら万が一の際は保証がしっかり得られるというメリットがあります。
為替やリスク、資産運用について知識がある人ならばお金を残す方法として検討するのも一つの手です。
しかし保険料が安いとはいえ、生活費に余裕がない人や為替やリスクなどの知識がない人が良く知らずにお金をかけて始めることはおすすめできません。
外貨建て保険は契約や解約、保険金の受取時などに手数料がかかる点や異なる通貨の交換比率によって大きな損失を被ってしまう為替リスクがデメリットでもありますから、知識をしっかり身につけた上での検討が重要だと言えます。
学資保険
お金を子供に残せる保険には、学資保険があります。
学資保険は保証対象が被保険者だけでなく契約者も対象となり、自分と子供の両方の万が一の時にも保証が受けられます。
また払戻率の高い学資保険であれば支払ってきた保険料の合計よりも保険金として受け取れる金額が高くなる可能性がありますから、貯蓄性が高いというメリットも。
また必要に応じて医療保障を付けられる商品もあるため、子供の医療保障を確保しておけば入院やケガの際も安心です。
しかし上記のような魅力的な補償内容はあくまでも契約を満了することが前提であるため、途中解約した場合は支払金額に比べて少ない額の払戻金となり損をする可能性があるので注意が必要です。


視野を広げて考えることが大切
シングルマザーとして一人で仕事と子育てに追われていれば「私に何かあったらどうしよう」と不安になる時もあります。
「お金の残し方」となれば、ついつい悲観的な考えに傾きがち。
しかしネガティブにばかり考えるのではなく、「私がいなくても大丈夫」と思える環境を残してあげられるよう視野を広げて考えることが大切です。
“備えあれば患いなし”という言葉があるように、自分の万が一の際に子供が困ることのないようお金の残し方について今回の内容を参考に改めて考えてみて下さい。
シングルマザーに対する支援策はたくさんあり、それらを利用しながら無理ない範囲であなたと子供の将来に対する備えを検討しましょう。
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