「母子家庭の不安は?」と聞かれて、一番に思い浮かぶのはお金の問題です。
どの母子家庭にとってもお金の不安は、常に付きまといます。
それはお金が手元にあるのか、ないのかは関係なく、「母子家庭」というだけで湧き上がってくる問題なのです。
では、なぜ母子家庭にとってお金への不安は尽きないのか。
今回はその理由と、いくらあれば安心できるのかを解説していきます。
母子家庭でお金は手元にあるのに拭いきれないお金の不安の正体
思っているほどの貯金が出来ない
お金が手元にあるのに不安な一つの理由は、思っているほどの貯金が出来ないからです。
母子家庭の収入は、一般家庭に比べて低いのが現実。
そんな状況の中でも、毎月の収入から少しでも貯金が出来るように、やりくりを頑張っているシングルマザーはたくさんいるのです。
しかし、もともとの収入が少ない中から出来る貯金額は、限られてしまいます。
いくら生活を切り詰めて貯金をしても、独身時代ほど自分の自由になる金額が確保できず、思っているほど貯金に回すことが出来なかったり、自分の理想とする貯金額と実際に可能な貯金額とのギャップに悩まされるのです。

子供の学費を考えると不安になる
子供の学費についても、拭いきれないお金の不安の正体の一つです。
一般的な調査の結果、「幼稚園から大学まで子供一人にかかる学費は千百万円」と言われています。
もちろん、国立なのか、私立なのかによって金額に差は出ますが、シングルマザーはこの金額を一人で背負わなければいけません。
子供が二人、三人といるシングルマザーにとってはこの金額も二倍、三倍となり、女手一つの家庭にとっては、途方もない数字です。
そのため、どれだけ働いて手元にお金があったとしても、子供の将来を考えると不安でいっぱいになってしまいます。

将来親の介護が必要になるかもしれない不安
シングルマザーといっても、その不安は自身の家庭だけではなく、親の将来にまで及びます。
今は元気で、協力もしてくれる親でも、いずれはこちらが助ける番になります。
「何か病気で長期入院が必要になるかもしれない」「介護が必要になるかもしれない」という不安。
実際にそうなってしまえば、今の生活以上の負担がかかります。
特に問題なのは、介護。
親との話し合いによりますが、どこかの施設に入るのか、自宅でヘルパーを頼むのか。
どちらにせよ、お金の問題が付きまといます。
そして、何年続くのかこれは終わりの見えないものです。
お金がなければ、自分で親の面倒を見なくてはいけなくなります。
シングルマザーには、体力的にも精神的にも、とても負担がかかってくるものです。
心情的にはお金だけで解決できる問題ではありませんが、実際にお金があるかないかで大きく変わってくる問題ではありますので、長い将来を考えた時、親の介護もシングルマザーがお金の不安を拭いきれない理由の一つにもなり得ます。

シングルマザーがお金に執着する理由
何かあった時のために余裕が欲しい
シングルマザーがお金に執着する理由は、何かあった時のために余裕を持っておきたいから。
一人で子育てをしているシングルマザーにとって、何かあった時のことを考えるのはとても怖いことです。
例えば、子供が怪我や病気で入院することになるかもしれない。
子供の入院となれば、親の付き添いが必要不可欠です。
そんな状況になれば、仕事を休まなければいけません。
入院が長期になれば、仕事も続けられなくなってしまう可能性もあり、収入もなくなってしまいます。
また、一番考えたくないのは、自分が病気になってしまった時のこと。
自分が元気でいるからこそ、働いて子供を育てていくことが出来るシングルマザーです。
もし病気になってしまったら、それこそ仕事を続けることが困難になるうえ、入院や治療とお金のかかることばかりになります。
そしてなにより、病気の治療に長期間が必要となれば、その間どうやって生活していくのか。
そんなことを考えていると、どうしてもシングルマザーはお金に執着してしまうのです。

子供に我慢をさせたくない
「ひとり親家庭だから」という理由で、「子供に我慢をさせたくない」という思いは必ずあります。
両親がそろっている家庭に比べると、どうしても収入が劣ってしまう家庭が多いのが現実。
もちろん、世の中のシングルマザーは少しでも収入が増えるようにと、日々考えています。
しかし、なかなか難しいという問題に直面してしまうのもまた事実。
そんな中で、子供が欲しいと思うものを買ってあげられず、我慢させることによって「周りの友達から何か言われるんじゃないか」「もしかしたら仲間外れにされるなど、いじめに遭ってしまうかもしれない」また、「子供に辛い思いをさせてしまうんじゃないか」などという不安に駆られてしまうのです。
「何でもかんでも子供に与えてしまう」というのは考え物ですが、人並みには買ってあげたいと思うのは、普通のこと。
このような思いがあるので、シングルマザーは人一倍お金に執着してしまうのです。

自分も欲しいものを買いたい
「自分が欲しいものも買いたい」という思いが、シングルマザーがお金に執着する理由の一つでもあります。
シングルマザーも、一人の人間です。
たまには、自分の欲しいものを買いたいと思う気持ちがあるのは当たり前のこと。
服だってほしいし、美容院にだって行きたい。
子供から「きれいなママ」って思われたい。
そんな願望を満たすためには、やっぱりお金が必要。
このような理由が、シングルマザーがお金に執着してしまう原因になっているのもまた、事実なのです。


シンママはお金がいくらあれば安心するの?
理想の貯金額に達した時
シングルマザーが安心できるのは、理想の貯金額に達した時です。
将来を見据えて「これだけの金額があればやっていける」という金額を目標に貯金しています。
その金額が達成できた時に初めて、シングルマザーは安心できるのです。
それまでは、いくら稼いでも、生活に余裕が出ようとも安心はできません。
また、目標金額をあらかじめ高めに設定したうえでの達成に限られます。
ギリギリの目標金額だけでは、不測の事態が起こった時に足りなくなってしまうという不安もあるのが理由です。
このように条件付きではありますが、目標額に達した時にやっと安心することが出来るのです。
再婚をして一人で背負わなくてもよくなった時
再婚をして、自分だけではなくなった時、安心できる元シングルマザーは多いもの。
ひとりで抱えていた時には、様々な理由から不安が常に付きまとっていたシングルマザーですが、協力して、支えてくれる相手が出来た時には、精神的にも肉体的にも、不安が軽減されることによって、お金に対する不安も無くなっていくのです。
この場合は精神面が安定するということが、大きな理由になります。
今まではなんでも相談できる人も少なく、孤独を感じていたシングルマザーも再婚によって孤独感もなくなり、自然と心が軽くなるもの。
ひとりではないと思える状況になって初めて、シングルマザーはお金の不安からも解放されるのです。
いつまで経っても安心はできない
シングルマザーにとって、お金の面で安心できることはいつまで経ってもない、というのも一つです。
どんなにお金が溜まっても、どんなに生活に余裕が出来ようとも、子供が自立してお金がかからなくなったとしても、それでも安心が出来ないのです。
お金の不安は、一つ解消されても、次は違うものとなってまた現れます。
それは常に状況は変わっていくから。
お金が必要な目的が変わるだけで、お金に対する安心感はいつまで経っても得られない。
シングルマザーにとっては厳しい現実ですが、これも事実なのです。


少しずつでも前向きに
シングルマザーとお金の問題は、切っても切れないもの。
ひとりで抱えていかなければいけないという現実と、精神的、肉体的なものが複雑に絡み合って、どうしようもない不安となって表れるのです。
なかなか難しいことではありますが、少しでも不安を少なく出来るように、前向きになってがんばっていきましょう。
悩んでいるのは、あなただけではありません。
コメント